ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 那須塩原2020・板室を開催しました。前編

板室温泉が美しく色づき始めた2020年11月初旬、
ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 那須塩原2020・板室が開催されました。
ONSEN・ガストロノミーウォーキングとは・・・
温泉地をウォーキングして、温泉につかり、その土地ならではの食材をいただく。ゆっくり
と歩く目線でその地域の景観や自然を体感する。温泉地を単なる「温泉を楽しむ場」として
だけではなく、滞在型・体験型の観光の宿泊拠点ととらえ、国内のみならずインバウンド
(海外からの観光客)にも、その魅力を提案します。この動きを通して温泉地の魅力を引き
出し、多くの方に体験していただくことで、地域を活性化させていくことを目指します。
https://onsen-gastronomy.com/about/
1000年の歴史を誇り、環境省「国民保養温泉地」指定の湯治の里・板室温泉を舞台に、栃木県では
はじめての開催。板室温泉神社、国登録有形文化財の加登屋旅館、木の俣渓谷など、板室温泉の名所を
巡りながら、生乳生産本州一を誇る那須塩原市のチーズや地元産の野菜を使った料理を思う存分、
楽しんでいただきました。
また、ウォーキング後は日本遺産・旧青木家那須別邸前広場でONSEN・ガストロノミーツーリズム
の交流会・シンポジウムを開催。交流会・シンポジウムでは、食事を楽しんでいただきながら、
生産者の声を直接、お届けする場も設けました。それでは早速、写真とともに振り返りましょう。

スタート地点は、乙女の滝駐車場。板室にありのまま残された手つかずの自然を活かして装飾が施さ
れ、参加者を気持ちよく送り出します。ここから、木の俣園地まで約8キロ。
美しい自然に囲まれながら、ゆっくりと歩きます。

早速立ち寄ったのは、[板室大日堂]です。大日堂の中には、江戸中期に造られた銅造の
大日如来座像が安置されており、市指定文化財に指定されています。
1000年という長い時間をかけて、湯治場として栄えた板室温泉。
普段、なかなか聞くことの出来ないその歴史的背景を、地元ガイドが詳しく解説してくれます。
友人を連れて参加されていた外国人女性2人組も興味津々。これが一つの契機となり、
日本の温泉文化が海外に発信されるのは、面白いですね。実は、お一人は国内在住で、
ライターさんとしてお仕事されているようです。
天候にも非常に恵まれて、「秋晴れ」という言葉がぴったりの穏やかな一日。
板室温泉の歴史をしっりと学んだ後は、次へ。
パッと視界が開けたその場所は、生食用ブドウやワイン用ブドウを生産している[石井ぶどう]です。

ONSEN・ガストロノミーウォーキングの楽しみは、美しい自然景観だけではありません。
そのエリアの「美食」を思う存分楽しめることも、忘れてはいけません。
この[石井ぶどう]を皮切りにこれから立ち寄るポイントで、この土地ならではの食文化が楽しめます。
森のチーズ / チーズ工房那須の森 / https://nasunomori.jp/
最低5か月は熟成するセミハードタイプのナチュラルチーズで、穏やかでコクのある味わいが特徴です。
那須ブラウン / チーズ工房那須の森
ミルキーで食べやすいウォッシュタイプのチーズです。
リネンス菌特有のクセや匂いが少しありますが、味の濃さ、コクをお楽しみいただけます。

まだひとつ目のポイントなのに、早速の充実っぷり。これから、こうして合計 4つのポイントに立ち寄って、
それぞれで「美食」を楽しみながら、ウォーキングします。
たくさんめぐって、たらふく食べて、最後は、温泉につかる。
まさに「めぐる、たべる、つかる」ですね。手袋を着用したり、手洗い場が用意されていたり、とコロナ感染症対策もバッチリ。

では、次のポイントを目指してスタート。歩き出すと、美しい紅葉の風景が目に飛び込んできます。
本来は現地を訪れて、この美しい景色に包まれていただきたいのですが、まずは写真で。
ぜひ来年は、秋の紅葉シーズンに板室温泉を訪れてみてください。

さてさて、美しい紅葉の中を下って、次に訪れたのは[板室温泉 市営駐車場]です。
しっかり歩いているからなのか、気づけばお腹もペコペコに。普段は、車が停まっているだけの駐車場に、
この日は何だか美味しそうな香りが漂っています。装飾も施されて、いつもとは見違える景色に。
鶏ごぼうそば / そば処やしお
香りや甘みの強い那須塩原産のそば粉を使用した手打ちそばです。
いわなの炭火焼き
「渓流の王者」 、「谷の精霊 」などと呼ばれるいわなを塩焼きにしてご用意しました。
味恋とまとジュース / 髙松農園
髙松農園で栽培されている、とまとの旨味がぎゅっと詰まった「味恋とまと」をジュースにしました。
高い糖度と適度な酸味で飲みやすくなっています。

ついつい、食事に夢中になってしまいます。同じ食事を囲むことで、参加者同士のコミュニケーショ
ンのきっかけとなります。これは「どこから、どうやって食べればいいの?」と、イワナ片手に少し
戸惑っていましたが、そういった新しい体験も、ひとつの魅力。

のんびりしていると、どんどん時間は経ってしまいます。次に向かったのは、国の登録有形文化財に
指定されている[加登屋旅館 本館]です。いまは、別館のみ営業しており、本館に宿泊することは出
来ないのですが、この見事な佇まい。タイムスリップしたかのようです。

このウォーキングも気付けば終盤に。板室温泉の長い歴史に再び触れた後は、それを静かに見守って
きた[板室温泉神社]へ。紅葉の中を一段一段登っていくと、そこにはまたさらに美しい景色が広
がっています。そこに静かに佇む[板室温泉神社]を参拝。

紅葉が美しいからか、美味しい食が溢れているからなのか、始めは8キロのウォーキングに不安を覚
えていましたが、気付けば、最後のポイントに。立ち寄ったのは[幾世橋駐車場]です。そして、こ
こでもたくさんの食事が。しっかり歩いてるから、美味しく食べられますよね。
巻狩鍋
源頼朝が那須野ヶ原で行った那須野巻狩から着想を得た、地元の名物料理です。
地元産野菜がたっぷり入ったこの料理でぜひ温まってください。
なすひかりのおにぎり ~経木に包んで~
栃木県オリジナル品種である「なすひかり」は、食味がよく、お米の粒が大きいためしっかりとした味わいがあり、
冷めてもおいしい点が魅力です。適度に湿気を吸収してくれる「経木」がお米のおいしさをさらに引き立てます。
拓陽キスミル / 栃木県立那須拓陽高校
市内にある県立那須拓陽高校食品化学科の生徒と市が共同開発した無添加の乳酸菌飲料です。
ほんのり甘く、さっぱりとした味わいの拓陽キスミルをぜひご賞味ください。
温泉梅酒 / しおばら千二百年物語 BLESS / http://shiobara1200.com/
塩原の温泉を使用し造った「温泉梅酒」はまろやかで 飽きの来ない甘さが特徴です。
本日は香りがより楽しめるお湯割りでお楽しみください。
黒文字茶 / 湯宿きくや / https://kikuya-nasu.com/
宿のお庭で摘んだ「黒文字」の枝から、板室温泉の湯宿きくやさんに作っていただきました。
日本の和ハーブとしても知られスッキリとした味わいが特徴です。

いよいよ、ゴール地点となる[木の俣橋園地]まで残す所、あと1キロ。
それでは、残された力を振り絞って、ラストスパート。すると早速、目の前には、再び美しい景色が・・・
こういう景色が、目の前に日常風景として広がっているのが、板室温泉の魅力です。

美しい自然に勇気をもらったら、ひたすら前へ。目指すは、最終地点です。
さすがに、足は疲れてきましたが、フレッシュな空気を吸いながら、ゆっくり歩いたせいなのか、頭は不思議とクリアに。
情報に溢れた日々の喧騒から離れて、こうして一日を過ごすことの価値を実感していると・・・
そこには最終地点が!そして、なんとそこには、市長が!しかも、満面の笑み。

米粉のロールケーキ / あぐりのかふぇ /
生地には施設内で自家製粉した地元産の米粉を使用しており、もちもちした食感が楽しめます。
本日は一番人気の「玄米ロール」と季節の果物を使用した道の駅オリジナルのロールケーキをご用意しました。
季節の焼菓子 / 茶房花苑 / http://kaenn.com/
道の駅「明治の森・青木」で収穫したさつまいもを使用した焼菓子を特別にご用意しました。
コーヒー / MEOW COFFEE /https://konnichilabo.base.shop/ 
板室の山奥で焙煎しているコーヒーです。道の駅「明治の森・青木」にてご購入いただけます。
パスチャライズド牛乳 / 新生酪農(株) / http://www.sinsei-rakunou.com/
地元那須箒根酪農協の提携農家から良質な生乳だけを集め、
低温殺菌方法により生乳本来のすっきりとした飲み口が味わえるおいしい牛乳です。
市長の温かい笑顔に、元気をもらったあとは、木の俣川沿いに用意された休憩スペースに。
旅の疲れを癒すのにぴったりな空間で、最後まで、美味しい食事を。
写真とともに、急ぎ足で「ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 那須塩原2020・板室」を振り返りました。
この疲れを癒すには、なんと言っても温泉ですね。これで「めぐる、たべる、つかる」をすべて体験できますね。
この後は、後編として、ウォーキング後に開催された交流会・シンポジウムの模様をレポートしますので、
ぜひお楽しみください!